高血圧に糖尿病が合併すると血管障害のリスク

糖尿病と高血圧は合併しやすい病気です。
どちらが先かというのは難しい問題ですが、どちらも生活習慣の影響が大きく関わっているという点では一致しています。
糖尿病には膵臓ランゲルハンス島のベータ細胞が障害を起こしてインスリンが分泌されない1型糖尿病と生活習慣による肥満が引き金となってインスリンの効きが悪くなる2型糖尿病がありますが、日本人には2型が圧倒的に多いです。

2型糖尿病の人は高血圧になりやすいとの報告がされていますが、その原因としてはいくつかの説があります。
第一には、血糖値が高くなり過ぎるとインスリンが過剰に分泌されてこのインスリンがナトリウムの腎臓での再吸収を促して循環血液量を増やして血圧が上がるという説です。
第二は、糖尿病の人は血圧を上げる役割をするホルモンに対して感受性が高くなるというものです。
三番目は、血糖値が上がると活性酸素が増えてしまうため、これを打ち消そうと血管拡張作用のある一酸化炭素が消費されて血管の拡張が不十分になって血圧が上がるという考えです。

いずれにせよ、糖尿病の人は血圧が上がりやすい傾向にあることは間違いありません。
糖尿病も高血圧も動脈硬化を進行させてしまうという問題があります。
動脈硬化が進めば、脳卒中や心臓病のリスクは高まります。脳の細い動脈で動脈硬化が起こると小さなこぶを作ります。このこぶが破れると脳卒中となります。
脳の太い動脈で動脈硬化が起こる場合には動脈が詰まって行きます。これが脳梗塞になります。
同じ現象が心臓の血管で起これば狭心症や心筋梗塞になります。

糖尿病も高血圧も治療にはまず生活習慣の改善指導が行われますが、それでも不十分な場合にはインスリン注射や降圧剤の投与が行われます。
特に併発している場合には高血圧の高リスク群に分類されますので、高血圧に関してはすぐに降圧剤による治療が行われます。
糖尿病の人はそうでない人よりも血圧を低めに保つのがよいとされているので、併発している人は降圧剤を強めに処方される事もあります。

心筋梗塞や脳卒中の発症率が高くなる

高血圧の最大の問題は動脈硬化です。
動脈硬化は動脈が硬くなったりもろくなって血管の中の血液の流れが悪くなって、最終的には塞がってしまう現象です。
この高血圧が引き起こす動脈硬化が脳内で起こってその結果として起こるのが脳卒中です。
脳卒中には血管が切れてしまう出血性の脳出血・くも膜下出血と、血管が詰まってその先の神経細胞が壊死する脳梗塞とがあります。

同じく糖尿病は高血圧になりやすいのですが、それ以外にも血糖値が高いと直接的に血管を痛めてしまい、動脈硬化を促進してしまいます。
糖尿病の人が脳梗塞になる危険率は約2倍になります。
心臓病も高血圧も糖尿病も合併症になりやすい病気です。それは心臓病の原因もまた動脈硬化にあるからです。
心臓病には、狭心症や心筋梗塞などがありますが、これらを発症するリスクは最大7倍にもなると言われています。

心筋梗塞は心臓の冠動脈の動脈硬化が進んで血栓によって冠動脈が完全に塞がれて心筋細胞が壊死する病気です。
心筋梗塞も脳卒中も発症すると死の危険が極めて高い病気です。
そのリスクを低くするためには、高血圧も糖尿病も生活習慣を見直すとともに継続した薬による治療が有効です。
肥満している人は、過食や運動不足が原因の大きなものを占めていると考えられますので、食事療法や運動療法が有効です。
糖尿病の場合にはインスリン注射は欠かせませんが、食事療法がうまくいけばある程度は血糖値の上昇をコントロールできるようになりますので、薬の量を少なくしたり経口投与に切り替えたりも出来るようになります。

血圧に関しては、計測時だけが安定していても油断は出来ませんので、効き目の長い降圧剤を継続して飲み続けることによって、心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らすことが出来ます。